うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

猫の毛入りカクテル

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ひとが煙草を吸うところは面白い。どの指とどの指で挟むのかとか、はじめにする仕草、例えば一度奥歯でカチっと歯を立ててから口へ持ってゆくやり方。これはとっても小柄な年下の女の子がやっていて可愛かった。一旦、横向きに挟んでから、上と下の歯で器用に縦に向きを変えてから火をつける、というのは、手品じみて鮮やかに見えた。チェーンスモーカーの父は、すこしでも間を置かない為に、次の煙草をボールペンみたいに耳に挟みながら吸っていた。早々に火を消してしまうひともあれば、短くなったら親指と人差し指に持ち手を変えて、火傷寸前くらいまで満喫するひともある。もらい煙草をしょっちゅうする、と、いうのも、禁煙を志して敢えて持ち歩かない場合だけでなく、一種のくせだと思う。煙は光に透かして見るとまっすぐ立ち上って綺麗だし、匂いも珈琲や香水に合って素敵だ。