うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

アルゴリズム

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梅雨をイメージしたら、なぜやら、美味しそうなカレーのパッケージみたいな色になってしまいました。神保町にカレー屋さんが多いのは、食事しながらスプーン持っていない方の手で文庫本を持てる、からだそうです。そうすると、カレーとコーヒーが同じ場で提供されているのにもうなずけます。

物売り

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金魚や納豆、豆腐に辻占いまで。むかしは道中で物を売る声が盛んだったそうな。やきいも、灯油、竿竹くらいなら実際に知っているが、慣れ親しむという程に頻繁ではない。いしやきいもが中年の男性であるのに対し、わらび餅は可愛い女性が売りに来ていると信じていたので、テープレコーダーを搭載した車の前に立っているおじさんを見てしまったときは少しがっかりした。

マオアール

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猫耳」と呼ばれる麺を、中華レストランでアルバイトしていたときに知った。ある夜、「猫耳ときのこのクリーム和え」という美味しいメニューをお客さまのテーブルに提供した後、コックさんがおもむろに「ごめん」と言う。理由を聞くと、「猫耳を入れ忘れた。」とのことで、響きの可愛さも相まってほんわかした。

ミズバショウ

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折り紙とあやとりの児童向け指南書を持っていた。簡潔でありながら丁寧な字体と絵、やさしいことば遣いで、ひとつひとつの手順を説明してくれる。折り紙の方には、紙鉄砲や紙飛行機、パクパクなどおもちゃの他に、ハスの花や宝船などのうつくしいものの作り方も載っていた。矢印や、「三角の部分をゆっくり押し広げる」という、言語での説明が巧みで、文章として読むだけでも楽しめた。どちらの本にも登場する、手首より上の両手が、すんなりとしてはいないが、腹の部分も指先もふっくらとして柔らかそうだった。けれども、だいたい途中でせっかちを起こしてわからなくなり、折り紙はしわしわに、あやとりの毛糸はぐちゃぐちゃにこんがらがってしまうのであった。