うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

2013-01-01から1年間の記事一覧

こがらし

~前回までのあらすじ~ 洋食屋の店主であるこうもり男は、ランチの材料であるたまねぎを調達すべく、街へ繰り出す。 ひょんなことからサバが食べたくなり、駆け込んだ定食屋で昔の仇敵に遭遇。 勝負を挑むもあっさり断られ、行き場をなくした怒りの矛先やい…

怒り

※前回までのあらすじ ランチの仕込みに必要なたまねぎを調達すべく、街に出たこうもり男。(現職、洋食屋のマスター) 思いがけずたべたくなったサバ缶を求め、すべりこんだ定食屋で果たした忌まわしき再会。 彼の妹を捨てた男、猪野川が、不敵な笑みをうか…

夜とともに百合の香が ~個展のおしらせ~

すこし前、「ビフナイト」というニキビケアー薬のCMで、 「でてきたよ~、ニキビくん」 のナレーションをバックに、うら若き女性が鏡を困り顔で覗く、というカットがありました。 手にあかぎれができ始めると、「ニキビくん」を「あかぎれくん」に置き換えて…

戦慄

~あらすじ~ ランチの仕込みの際、タマネギをきらしていたことに気づいた、洋食屋店主のこうもり男。 意気揚々と街へ出るも、苦手な犬に吠えられて、昔のトラウマがよみがえる。 恐怖のかられて久々に全力疾走なんてしちゃったもんだから、息は上がるわ、口…

こうもり男のカフェ 3

~前回までのあらすじ~ 洋食屋のマスターであるこうもり男は、ランチの仕込みの最中で、タマネギをきらしていたことに気がつく。ひさびさに街を歩けば犬に突然ほえられてしまい…衝撃の急展開。 わん、わん!と、 「わ」に濁点をつけたような音で2度みじか…

こうもり男のカフェ2

はた、と気づき、こうもり男は普通っぽい服にきがえました。 マントと蝶ネクタイなんてしていっては、ライフ(最寄りのスーパー)で浮くにきまっている。 しましまの服を来た彼はまるで薄い胸に熱い情熱を秘めた青年のよう。 そういえば、街の地上を歩くのも…

こんなんできましたっけど~

その子はたち櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな 山之口アートフェア、無事終了いたしました。与謝野晶子さんのふる里である堺。 文学館やゆかりの地もたくさんあるそうな。 「晶子さんの家だった所(和菓子屋さんだったらしい)もすぐ近くなんだ…

こうもり男のカフェ

こうもり男は最近、きまぐれで洋食屋さんを開いています。 その前は熱帯魚ショップでした。 その前は名うての泥棒でしたが、 なんとなく日陰者めいた商売をするのが嫌になり、足を洗ったのです。 熱帯魚は最近の癒しブームに乗っ取ったのですが、 世話が意外…

海の男

知り合いの裁断士さんから肖像画を頼まれて、今描いています。 裁断士さん、の説明がまず必要ですよね。ここでは、靴を作るために必要な革を、型に合わせて切る職人さんのことをさします。 デザインによって色々なパーツが必要ですので、そのデザインごとに…

木馬で旅行

水泳の時間の後、耳にはいった水が抜けず、頭をなやませたことはないだろうか。 プールサイドでの終わりの体操の時に、「耳から水を抜く動作」というのがあるのだが、 けんけんしながら三、四回ずつ片耳を叩くだけなので、抜けるわけがない。 違和感の正体を…

雨の匂い

わかき子が乳の香まじる春雨に上羽を染めむ白き鳩われ 家で読売新聞をとっているのですが、月曜の朝刊に「歌壇•俳壇」という紙面があります。 読者から寄せられた短歌や歌を、著名な先生方が選び、評をしてくださる事も。 多様な年齢層の方々が投稿しておら…

everybody goes

イズミヤ、というスーパーの本店が近くにあります。 1階は食品売り場、2階は婦人服に寝具、などとさまざまなものが売っていて、 小学生のころは何かというと遊びにゆきました。 「どこ行くー?」「イズミヤいこっか」 といった感じ。繁華街のミニチュアの…

バルコン

パンケーキ、というと、ホットケーキより貴重なものに感じませんか? 村祭りの日にだけおかあさんが貴重なミルクをつかって焼いてくれるもの、だとかいう風に。 ホットチョコレート、というと、ココアよりおいしそうではありませんか?? バスの待ち時間に入…

展示したおしらせ

卯の花を小傘にそへて褄とりて五月雨わぶる村はずれかな/与謝野晶子 きょうは、友人の結婚式でした。大安で、とちゅう少し雨も降ったみたいですが、ガーデンでの記念撮影や、大きな窓から外光が射すチャペルの式の際は見事に晴れ。ほんとうに良いお日柄とな…

しのびよる破局

しのびよる破局。強烈な題名の本です。 きょう、買い物帰りに歩道橋を降りると、おじさんが倒れていました。 身なりは綺麗ではなく、全体に灰色っぽい。路上に投げ出された手元には月桂冠のワンカップ空き瓶が2つくらい並んであるので、酔っぱらって寝てい…

蜜月

きのう親不知を抜いた。 18時半から歯医者の予約を入れていて、何をしていても歯のことが頭をかすめた。 突如冷え込んできた空気のせいで冷たい手のひらが余計に冷たかった。 会社の出かけに、職人のおじさんと会ったので、今から親不知抜くんですよ~と言…

フワフワの曲

しし座流星群が来るらしいから、ちょっと屋上行ってみてくるわ、 と、セーターをかむると、仕事仲間の鶴太が「しし座?」と首をかしげたので、 「あ、ちがった、オリオン座流星群だった。」 私は思い出した。背が高くてごつめな体格のイメージと裏腹に、鶴太…

絵本にまつわるご報告

自作絵本、「きんぎょとあそんだ猫」が、 電子書籍となって登場❗3年前に作った絵本の改訂版、といえるものです。 i-pad対応なので、お持ちのかたはぜひご覧になってみてください。 すごく格好いい仕上がりとなっています。 こちらのサイトから無料ダウンロー…

彼岸花

きんぎょが、飼っているきんぎょがもう三年も生きているんですよ。 から始まり、きんぎょトークになりました。久々に、高校時代の先生をはさんでの飲み会の席です。 「不思議な事に入れる水槽にあわせて身体が成長するんだよ。家にあった大きな水槽に入れた…

七藝の青年

つい先日、洗濯ものを入れて畳んでいたときのこと。 暑くてからっと晴れていたので、もうぱりっぱりです。 お日さまの匂いを存分にすいこんだ衣服たちを適当な形に折っていると、ぽろりと、何かが落ちました。 思い出?…そうではありません。てんとう虫です…

映写犬

久しぶりに仲良しメンバーで旅行へ行こうという話になり、やってきたのは伊勢志摩。 顔をあわせたのはそれこそ10年ぶり。 それぞれの歳月を経てそれぞれの職についていた彼ら。顔ぶれは、歌人、ぬすっと、野球選手、霊媒師と まさにさまざまです。 最初はぎ…

しのように

かねこみつはる、という著者のお名前は何度も耳にしたことがあったものの、 作品をよんだのは初めて。 中山可穂さんの「熱帯感傷紀行(アジア•センチメンタル•ロード)」の中で、 失恋した著者がアジア旅行にただひとつ持っていったというエッセイだそうです…

ねずみ係長のお昼

9月に入った途端に涼しくなればいいのにな~ なんちゃって(いや、そんなことはあるはずない)ぐらいの反語のような気持ちでくちばしっていた言葉なのに、 本当に気温がさがってびっくりです。 いや、日本の夏はそんなに甘くない、と、まだ暑さがぶり返すの…

ゆめの映画館

こんな夢をみた。 富士山に登る。無事頂上に辿り着くが、雨なのか風なのか、天気が良くない。どんより雲がかかり、名物であるご来光にはとてもお目にかかれそうにない。 きゅうに、音楽がながれてくる。 ロックの、それもいかにも激しいやつだ。 バラバラ、…

雨の京都を

みなさんこんにちは。最近、聞き流すだけで英語が話せるようになる、なんてうまい話もいいところな教材がちまたに出回っていますが、海坊主は信じませんね。 同様に、京都の街が碁盤の目状につくられているから迷わない、なんてのも嘘だと思っています。でな…

毒のある葉っぱ

長いズボンの寝巻きを着ると暑いのですが、半ズボンだとひざ裏に汗がたまりませんか? それは良いとして、こんな夢をみた。 おそらくテーマはトリカブトです。 トリカブト、というと、本の中でしか知らないが猛毒を持った植物だそうです。 どんな見た目をし…

ピノのワルツ

そういえば最近ぜんぜん来てもらって無いなあ。ピアノの調律。 きゅうに思い出したのは、コンビニで買ったピノを食べたせいでなく、甘さと冷たさの口どけを感じながら歩く途中、蝉たちの声が耳触りに感じられたせいだった。 いつもはうるさいながらに一定の…

うきうきサマー☆パラダイス

さあ、いよいよやってきましたアツい夏! これから10月くらいまでヘタすりゃ続きますよこの熱さ!! と、いうことで これからのイベント予定を突然発表しちゃいます。ダダダダ あした・あさって(7月27・28日の土日) ●堺アートワールド →http://www.n-a.jp/sa…

ときには乱歩のように

きのうの、雨の降る前の夕刻。 屋上に、すずめの死骸がある、との報告を受け、腹をくくって回収しに行きました。 近所の公園に埋めるつもりでした。 おそるおそる階段をあがり、びくびくドアを開けます。 死体がある、という情報がある場合とない場合では、…

個展のおしらせ~あめふりの日~

きょうは、ぬるいような気候で、春特有のそわそわした緊張感でみなさん変な汗をかきませんでしたか? さてさて、個展のおしらせです。もうはじまっております。 ◯あめふりの日 同タイトルの絵本原画を数点と、雨にまつわる絵画、まつわらない絵画をそれぞれ…