はた、と気づき、こうもり男は普通っぽい服にきがえました。
マントと蝶ネクタイなんてしていっては、ライフ(最寄りのスーパー)で浮くにきまっている。
しましまの服を来た彼はまるで薄い胸に熱い情熱を秘めた青年のよう。
そういえば、街の地上を歩くのもひさしぶりだっけ…いつも発注して業者に材料を持ってきてもらっていたから…あと、果物は森の木々から仕入れてきたりとか。
そんなことよりもはやく、タマネギ、タマネギ、と、
おっちゃんのこぐ、おっそい自転車とかにぶつからないようにしながら
歩くと、
茶色い犬がいました。
中型で、困ったような顔をしています。
通り過ぎようとすると、みるみる犬は目をつりあげ、
ワン、と、びっくりするぐらい大きく吠えました。
(つづく)
作品紹介用サイト www.umitsuduki.com「海の中で傘」
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