うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

2012-01-01から1年間の記事一覧

バター

「大そうじ」というものへの自分のモチベーションの低さにびっくりします。 よけいなものは捨てているはずなのに、なぜかものが減りません。 台所にもっていかなくちゃいけないもの、とか、筆箱になおさなきゃならないもの、とか、洗濯しなきゃいけない服、…

「時の展覧会」終了

「時の展覧会」無事終了いたしました。 ご来場くださったたくさんの方々、本当にありがとうございます。 ギャラリー「アトレオ」での初めてのイベントだったので、「ここは何をする場所だろう・・」と、気にかけてくださったご近所の方も多いようでした。 美…

halam

ずっと前からだが、金魚の様子がおかしい。きちんと浮けなくなった。 尾ひれを下に垂直に立っているさまは、砂利に咲く花のようである。 がしかし、ご飯をやるときにおいては、気配を察知してか、 体全体を使いながら浮いてくるのである。いかんいかん、と首…

SPROUT ~グループ展~

またまたグループ展のお知らせです。 ●期間 2012年12月1日(土)~10日(月) ※水曜日休廊 ●12時~19時 最終日17時 久保田裕美 シロ コニコフ 押海裕美 川田直美 大向啓正 竹村寛来 立見祐一 佐野優作 シュガー (敬称略) の、10名による…

映画館とへび

ある朝目覚めると、布団と自分が一体化していた。 10年くらい前に買った安物のやつだ。どうせなら羽毛布団がよかった。 もちろん動けないししゃべれない。 ひとりぐらしなので誰にもきづかれない。 手をのばせば届く距離に携帯電話が転がっているのだが、…

孤独に寄りそう

ちょっと用事で自転車にのろうとした日曜の午後。 小春日和でぽかぽか暖かく、坂道で立ち小こぎしやすいようにと軽装で出ると、 リップクリームの装着をわすれていたことに気がつきました。 まあ、乾くのは乾くけどそんなに強風でもないし大丈夫だろう、とい…

ことバー

海坊主の家で購読している読売新聞に、ときどき「空想書店」というコラムが載っていて、その日のコラムニストが自分の理想の書店を語ったり、本の魅力を独自の目線で語るといった内容です。 今週の日曜は歌手のjujuさんの文章が載っておりました。 空想書店…

協奏曲2

前回のあらすじ 初めて入るバーで、先客の前に飲み物が置かれていないのを見て戸惑う主人公X。 そんな彼に、感じの良い初老のマスターがこう問いかけた。 「お客さま、今日は何を読まれますか?」 ・・・マスター、「読む」と「飲む」をいいまちがえています…

協奏曲

布張りのような不思議な手触りの扉を押すと、一人だけ先客が居た。 お酒を飲むところにしては明るすぎる。 けれども暗い赤と焦げ茶に統一された店内はすっきりとして、中に立つマスターは口ひげがよく似合う渋い中年の男で、全体的に好ましかった。 一番奥に…

THE YAMOME SINGLE MIDDLE AGED MAN

芸術の秋、とはよく言ったもので、肌にひやりと心地よい風や、抜けるような青空、夕暮れのうつくしいグラデーションに触発されて、芸術に触れたくなるこのごろですね。 そんなわけで今日、明日と、神戸ファミリアホールというところで、「デザイン イン 神戸…

ほおづえ

http://www.family-r.com/blog/diary.cgi?date=20120928 なんだかブログの文字がすごく小さくなっているのですが一体どうしたことでしょう? 世の中わからないことだらけ、知らないことだらけ。 週末は知らない街の知らない商店街をぶらぶら、なんて過ごし方…

サーカスの宣伝

見るからに熱そうな、ぐつぐつのドリアを、運ばれてきた途端に女は手をつけた。 とろけたチーズが、知らない間に廊下の隅に作られた蜘蛛の巣のような細さで銀のスプーンにまとわりつき、紅がきれいにふきとられた口に吸い込まれてゆく。 熱くないの? ときく…

机の調理法

みなさんこんにちは、うかうかサマーバケーション。うかれていたら自由研究やる時間なくなっちゃうよ!やるもやらないも自由だからアリだよね☆ということで、今年もやってきました、堺アートワールドです。 実はもうはじまっております。 日程 8月18日・…

かこの鳥

それは昨夜のこと。 月も星もなく、とこか赤みを帯ひた空の下を生ぬるい風か吹きすさんていました。 立っているたけて汗はむてしょう、という気象予報士の言葉を思い出し、 そりゃあ歩いてたら汗たくにもなるわな、 と心て悪態をつきなから、首筋をつたわる…

ゆれる光

久々に見た映画の余韻に浸るために、シアターを出てすぐのところにある昔ながらの喫茶店で、僕は煙草をふかしていた。 世の中が便利になる一方で、レトロ、という言葉がファッションのようになってきているせいか。 狭い店内はいっぱいになってきた。平日の…

視線

朝刊の天気予報マークにしか目を通さないために、よくにわか雨に降られる海坊主です。 蒸し蒸し、じめじめ、と、6月から連想される擬態語は気分の良いものではありません。 しかし、せまい道の真ん中を、めっちゃがにまたでノロノロこぐおじさんの自転車に…

ほくろを数える

用意したときに限って使わないものってたくさんある。 傘なんてその最たる例で、それは途端にひどく邪魔な荷物に思えて、そう重たいわけでも大きくもないのに、手にしているのがけがらわしいみたいな気持ちになって、しまいには町のどこかにうっちゃっておき…

料理ノススメ

卵を割るときは固いボールの角などでなく平らな机の面で、 や、米は研ぎすぎると風味が損なわれてよくない、 とか言いたいわけではないのです。 ただひとつ、雑につくるとまずくなります。 おいしくなあれ、と唱えながら作ると美味しいといった説は迷信や気…

割れたハンプティダンプティはもとにもどらない

してしまった後悔としておけばよかった後悔とでは、 してしまった後悔の方がまだましだ、 なんていう文句を今までに何度か見たり聞いたりしました。 なるほどそうかもなあ、結果はどうあれ悔しさは残らないかなあ。 しかし、言ってしまった後悔と、言ってお…

グループ展のおしらせ

幼少のころを過ぎてからは、体調不良を訴えると、自己管理が足りないからや、と叱られてそだった。 実際、母は風邪などひかず、まれに前兆がみられるときは市販の薬をのんで即ふとんに入り、翌朝はすっきりした顔で仕事をしていた。 旅行中に食べた貝があた…

いまは昔

家から歩いて6分くらいのところに、それはふるーい古本屋があって、閉店セールとかで100円均一を開いています。 棚もワゴンもなく、大きな書物も無造作に床につまれており、照明も暗い。ちら見したところ、おっちゃんがせまい店内に一人座っているもよう。 …

飲み込む

かすかな物音がして目が覚めた。 時計を見ると夜中の二時だ。 寝付きがよく、かようなことは滅多にないのだが、空気中をただならぬ気配が冴え冴えと横切っている。 横向きに寝ている後頭部でサカサカ、とうごめくのがわかったので、 梟なみの勢いで90度ま…

wonderland

近くの沼にでかい亀がいるらしい、という噂をききつけ、 日曜の朝っぱらから寒さを我慢して見にきてしまった私。 爬虫類好きでもないくせにまったく何をしてるのかしら私、と毒づいたその時、 目の前がひらけて問題の沼が現れた。 うすい陽がさしているにも…

ブラックスワン

電信柱の陰からそのひげのおじさんが現れた時私の頭にうかんだのは、 知らない人についていかない。 という教室に貼ってある標語よりも何より、「ちびまる子ちゃん」のアニメの主題歌の詩だった。 アニメーションの中ではかなりひょうきんそうなビジュアルで…

少年

今年はもう冬なんて来ないんじゃないかなんて、ついこの前まで話していたのに。 クラブ活動の生徒たちがグラウンドへ飛び出してきてから間もなく、 薄墨をはいたようにあたりは暗く沈んでしまった。 職員室の暖かさの中にいても、ふきすさぶ木枯らしを感じる…

迎春大サーカス

遅くまで開いているはずのお店も閉まり、 歩いている人も、走る車も少ない。 ひっそりと暗い青色に沈んだ建物の屋根の上を、寝ているみたいに横向きになった三日月がおぼろに浮かんでいる、大みそかの夜。 酔いとダウンジャケットのおかげで寒さも感じていな…