うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

割れたハンプティダンプティはもとにもどらない

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 してしまった後悔としておけばよかった後悔とでは、
 してしまった後悔の方がまだましだ、
 なんていう文句を今までに何度か見たり聞いたりしました。
 
 なるほどそうかもなあ、結果はどうあれ悔しさは残らないかなあ。

 
 しかし、言ってしまった後悔と、言っておけばよかった後悔を比べるならば、
 
 後者の方が絶対に質の良いものだと思います。
 
 言葉は魔法だ、とか最大の武器だ、とか色々言いますがまさしく本当にそうで、それは年を重ねるごとに強くなる実感であり、 
 
 簡単にするっと口をついて、行動よりも先に出てしまう点でたちが悪い。
 
 物理的な攻撃を加えたわけでもないのに、
 
 それと匹敵するかもしくはより多くの打撃を他者に与えてしまいます。ときに肉体の痛みよりももっと長く。

 神による怒りの形が、人類に「言葉」を与えることであったことや、
 
 結果、互いに理解する力を失わせたという、バベルの塔のお話からもわかるように、

 一生かかったって扱え切れない刃なのだと考えれば、それを自在に扱った気になって振り回し振り回しされている自分とはなんとおそろしい存在なのでしょう。 
 
 
 
 
 
 そうして見返したこの文章に使われた代名詞こそあど言葉の、なんと多いことか。
 
 くわばらくわばら。こんなときは野良であれ飼われているものであれ変にえらそうな、あの生き物みたいに、丸くなって寝るにかぎります。