前回のあらすじ 初めて入るバーで、先客の前に飲み物が置かれていないのを見て戸惑う主人公X。 そんな彼に、感じの良い初老のマスターがこう問いかけた。 「お客さま、今日は何を読まれますか?」 ・・・マスター、「読む」と「飲む」をいいまちがえています…
布張りのような不思議な手触りの扉を押すと、一人だけ先客が居た。 お酒を飲むところにしては明るすぎる。 けれども暗い赤と焦げ茶に統一された店内はすっきりとして、中に立つマスターは口ひげがよく似合う渋い中年の男で、全体的に好ましかった。 一番奥に…
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