こんな夢をみた。
富士山に登る。無事頂上に辿り着くが、雨なのか風なのか、天気が良くない。どんより雲がかかり、名物であるご来光にはとてもお目にかかれそうにない。
きゅうに、音楽がながれてくる。
ロックの、それもいかにも激しいやつだ。
バラバラ、と水滴のたたきつけるような、それにシャンシャシャン、と耳の中がざわざわかきまわされるような機械音。
クレッシェンドが最高潮に達した時、ノイズが黒い針状の可視的な物質となって山頂からひらけている灰色の空の中心に集まってくる。
やがて一つの巨大な円をなし、登山客たちはご来光だ、ご来光だ、とどよめいている。
ノイズの集まる動向は終わりを告げ、真っ黒な太陽が日の出を完成させる。
真っ黒だが、確かに光を放っている。
ひいい、なんじゃこりゃあ。自然現象なのか富士急ハイランドの手がけたアトラクションなのかもわからぬまま、
わたしはこわい、こわい、と隣に居る知人に連呼している。
学生のときに富士山に上ったのですが、見えなかったんです。日の出。
天気がとても悪くて、頂上には雨と霧が立ちこめていました。
まだ潜在意識の中で根に持っているのでしょうか。
ご来光が見えなくても、登る過程が楽しかったし、降りている途中で晴れて満足した気がしていたのですが。