うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

Hakone

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抗いがたい眠気、というものにおそわれて寝てしまうときは金縛りに遭ったり変な夢を見やすかったりするものだ。明け方に毛布かけずに眠りにおちたら高校のときの、担任でもなんでもない古典の女の先生がお部屋にトイレを借りに入ってきた。せっかく模様替えをして住み良くなったので、貰い物のガラス花瓶に先ずは道端の雑草でも摘んで活けようか。前々から目を付けていた橙色の花が可愛い。がしかし、阿片の原料となる芥子の花に姿が似ているので止しておいた。
 

流れ星の夢

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流れ星がビュンビュン飛ぶ夢を見ると怖いので、ほっぺをつねってこれは夢に違いない、と気持ちを落ち着かせるの。夢の中なのに痛いような気がして、わからなくなる。映画のターミネーターが、痛さは感じないが『痛み』という感覚で処理される、と説明していたのが当て嵌まるように思う。夕焼けに挟まれた闇に月が浮かんでいるのが美しいなと見惚れておると、白い光の線が一つ流れ、また一つ、二つと増え、しかもそれが一定方向出なく縦横無尽で、しまいに無数のキラキラが銀紙を散らしたかのように舞い降りて来る様は起きてからしばらく経っても鮮やかだ。

合挽き肉

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ナツメグ

キューピー3分クッキング、の料理本が、台所の棚にはたくさんあった。お腹を空かせた3人の子らが待つ家に戻った母が冷蔵庫を開け、何やら料理を作って大皿に盛ってテーブルに出すまで本当に3分ぐらいだった。ユリゲラーの影響か、スプーン曲げなども時たま見せてくれて、未だタネがわからず、奥さまは魔女‥と、古いドラマのタイトルをぼんやり浮かべながら食べていた。家にあるものやよく使う材料で、と、アレンジを加えていたためなのか、冊子の写真通りの物が出てきたことは一度も無い。

先日コーヒーを飲みに行って、一杯じゃ物足りなかったので二杯目を注文したら、胃を悪くするよ、そんなにガブガブ飲むなんてアラブの人みたい、と言われて面白かった。3分クッキング本の巻末にあるコラムのページに、トルコで絨毯屋さんに入った体験談があった。彼らはまずお茶を勧めて商談するらしい。甘党の店主は小さなミントティーのグラスに熱い紅茶、入りきらない量の角砂糖を無理やり沈めて陽気に話す。お茶をどんどんおかわりするうち、飽和状態にあったお砂糖がどんどん溶けてゆく。半透明の液体に糖分がゆらゆらしているさまがすぐそこに浮かぶような文章だった。

インクであそぼ

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インクでペタペタあそんでいたら都電に轢かれそうになったり、携帯を地面に落として液晶を割ってしまい、データが吹き飛んだりしてしまいました。どうせなら画面大きい方が、と、持ち前の貧乏性を発揮して、片手に収まらないサイズのを選んでしまったせいでしょう。LINEの復旧は、修理が終わって代替機を返却してからでいいや、と、のんびりしています。