うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

こむら返り

 

 

    

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ポー

 

 こむら返り になったことがあります。

 

 はげしいふくらはぎの痛みが寝込みを襲う現象です。

 

 

 土踏まずがつり、足の薬指と中指が離れなくなる軽いものとは

 遥かに段階の違うそれは、「痛み」と認識することが瞬時にできない程。

 

 小さい頃に隣で寝ていた姉がきゅうに叫びだした夜の光景や、

 こむら返り、という表現を思い返した時、

 やっと「痛い」と口に出すことができました。

 

 隣に誰か居ようと居なくとも叫び続けるのは、

 助けを求めているのでなく、混乱のためでもなく、

 声を発することで少しでも気を紛らわそうという儚い試み。

 

 壁に足の裏を押しつけて人間つっぱり棒となり、

 なんとか治めた後も、再びなるのでないかと怯えながら夜を越しました。

 

 なのになぜかどこかで、こむら返りの夜を懐かしく思っています。

 ジェットコースターやお化け屋敷など「予測できる恐怖」が苦手な

 じぶんにとっては、突然やってくるスリルを味わう機会なのかもしれません。