横断歩道を渡ると目の前を、みの虫が宙に浮いていました。
ついに昆虫が万有引力を無視する時代が来たか、
と、思わず「うわ」と叫びながら除けました。
みの虫が見えていないらしい隣の通行人は、わたしが突然何か言葉を発しながら体をそらせて近づいてきたので畏れおののいていたようです。
このようにして朝の平和な通勤時に突如戦慄の連鎖を生んだみの虫でしたが、
よく見ると電線からぶらさがっているのでした。
木も結構まわりにある道でしたのにあえて電線を選ぶとはしたたか。
もしかするとメカモスラみたいな電気をまとった蛾に育つのやもしれません。