世界史の授業は本当に眠かった。先生が口から眠気の胞子を吐き出しているんでは、と半ば本気で思うぐらい眠かった。前の子から順々に突っ伏していくのはパラパラマンガのようで面白かった。ローマ帝国が興亡を繰り返し欧米諸国の勢力があれこれ変わっていく最中、小ピピン、という人物が出てきて、かなり間の抜けた感じを覚えた。先生！その小ピピンってどういうことですか？と、挙手して質問するか、隣の子と肘でつつき合って笑う、とかするべきなのだが、頭は靄の中で霧に包まれたみたいに虚ろだし、隣の子も寝ている。積極的に学べる機会はいくらでもあっただろうに。玉座にちょこんと腰掛けて家臣から猛烈にいろんなツッコミを受ける小ピピン、という誤った像しか描けない現在の結果を招いてしまった、寝てばかりの高校生活が悔やまれる。
