母がダイニングセットを買ったらしい。じぶんはこの間、唯一の応接家具であった折りたたみ式ちゃぶ台を捨てた。座れるところといえば、ハイベッドに上がる為の梯子とビジネス用の回る椅子、それと収納器具を合わせてさし引いた小さなスペースしかない。昔の日本の家には、床の間など、いかに狭くとも来客に向けた様式が備えられていた、という随筆を、ちょうど読む。やっぱり社交性無さすぎるのはいかんよなあ、と、代わりになるものを探す。スーツケースがあった。横倒したのに白いシーツをクロスに掛けてテーブル、床には洗ったばかりの毛布を絨毯がわりに…。なんて、無理があるかもしれない。
