岩波文庫のガリバー旅行記を読んでいます。家庭をさしおいては旅に出まくる彼の乗る船が、毎度のように難破します。何かに似ていると思ったら、アラビアンナイトに出てくる船乗りシンドバットでした。限りなく絶望的な状況にさらされる中、もはや偶然としかいえない運が重なって生還。するとまたすぐに、どうにもじっとしていられなくなって旅に出るのです。はじめて読んだときは、子どもながらに良い加減にしろと思ったものです。あらためて考えてみれば、現実に於いても、遠くへの航海が危険に満ちたものだった当時でも尽きないくらい、人々の冒険心や探求心が強いということなのでしょう。
