千手観音になる薬、を、川底に住む魔女に貰ったので、飲みました。
手がいっぱいあれば、絵を描きながら、メール返しながら、
料理もしながら、髪の毛をドライヤーで乾かせる、と思ったからです。
海坊主の声は通らないので、
魔女は、引き換えにその美しい声をおくれ、などとは言いませんでした。
ドロドロロん、というおどろおどろしい音と、成長痛のごとき痛みと共に、
みるみる手が増えました。
わあい、これでなんでもいっぺんにやれるぞー、作業効率化だあ
と喜ぶのも束の間。
コンビニで買った聖おにいさんを読んでしまったり、フェルトでバーバパパを作って失敗
したり、アイスピックで指の間をどすどす行き来する一発芸を身につけようとしたり…。
やらなくて良いことばかりやってしまいましたので、魔女のもとへ行って
全部はずしてもらいました。エクステはずす時より大変でした。
たくさんあれば良いと言うものじゃないのですね。時間と同じです。
写真は、知人から依頼を受けて描いた似顔絵。
ご両親のお誕生日お祝いに、と使ってくれました。
製作中のものが幾つかあるので、本格的に宣伝始めるのはまだ先になりますが、
こういったお仕事もどんどんお受けいたしてゆきます。