「良いお年を」という挨拶がとても好きです。
年明けの挨拶も良いですが、それよりもずっと好きです。
これから年末休みに入るのだぞ、という安心感と、
この人とはもう、年内に会うことはないのだろうな、
という予想にもとづく
しばしの別れへの予感が込められているのが、良いのかもしれません。
忘年会がえり、ほろ酔いの大人たちが少しはしゃいで、
居酒屋のビルの前で深々とお辞儀をしながらこの言葉を言い合っている。
一月の冷気の中を、年越しの瞬間のそれぞれの予定を抱えて
散りぢりになってゆく。
もう本当にあと残すところ数時間の間に、できるだけ多くこの言葉を
言ったり聞いたりしたいと思う。
12月末日