チョコレート工場
異変を感じ、三日間ほどつけっぱなしにしていたピアスをはずしてみました。
するとあら、たいへん、開いてこのかた膿むことも病めることもなく、穴あけの際も拍子抜けしちゃうくらいにするっと空いてしまったトラブル知らずの耳たぶが、白いかさぶた状になっているではありませんか。よくよく見ると、ごく微量の出血の跡もあります。
なんということだ、密かに誇りにしていた鋼の耳たぶがついに・・・・。
それは、泣く子も黙るクラスの親分格がインフルエンザで欠席していた時のごとく、おかしな空虚感をともなった、落胆でした。
はずしたピアスをしぶしぶポケットにしまおうとした時、デザインがスライムをかたどったものだと気づき、あっと思いました。
スライムとは、人気RPGドラゴンクエストシリーズで、冒険の序章に登場するモンスターのこと。
(理科の時間に作った経験などおありかもしれませんが、あれはまた別のものです。)
もしや、こいつの攻撃に遭った末の、負傷なのだろうか。
おそらく実物よりはるかに小さいながらなんともいえぬ不敵な笑みに見つめられ、うすら寒さにとらわれる私。
ビジュアルの可愛らしさを裏切らす攻撃力もキュートな彼らだから、どんなに勇者がペーペーで初歩の段階であっても受けるダメージはせいぜい1。
1のダメージというと、現実の世界に起こしたらちょうどこのぐらいなのかもしれない。
スライムピアスやで、これつけたら素早さ上がるねん、
とか言って(実際には言ってませんが)喜んでいたのに攻撃されるだなんて。
飼い犬に手を、いやいや買ったアクセサリーに耳を突かれた気分。とはまさにこのこと。
しかしまてよ、
初歩レベルとはいえある程度冒険の仕方とか知ってて筋肉とかもある人にとってのダメージ1だから、修羅場といえば兄弟げんかぐらいである私にとっての1、はこんなもんじゃすまないのか。だとするとスライムの仕業だというのはやはり考えすぎ??
などといろいろ考えながらスタバでコーヒーを飲んだお昼。
窓ガラス割って歩いた15の夜(song by 尾崎豊さん)
よりは平和じゃありませんか。