琥珀色、と表現するのだろうか。透明な金色の水が、グラスの中で美しく揺らいでいる。
光に透かして見とれていると、それはみるみるうちにあふれ出して、世界中の全てのものに姿を変えた。
~ウイスキー奇談~
♪茶色の小瓶を二人でゆすりゃ 紅茶に牛乳なんでもでるよ
音楽の教科書に載っていた「茶色の小瓶」という童謡
当時はそんなこと思わなかったけど これはウイスキーの酒瓶のことではないか
中の飲み物は小川のほとりに住む夫婦をしたたか酔わせ 紅茶もミルクもかなわない甘美な代物になりえたのではないか
・・・まてよ、ビールの中瓶と仮定することもできるな
マッカラン
初めてその名を聞いたとき、「わっかない」という名の焼酎かと思って
すみません焼酎はお取り扱いしてないんです、と言ってしまったバーの店員
「お菓子みたいな味がする」
一口飲んでそんな感想を持たせたウイスキーは、かなりきついものだったらしい。
これをお菓子呼ばわりするなんて、相当いける口だね、とかなんとかいわれたけれど。
名前だってほら、薄切りにしてシュガーバターを塗り、さくっと焼いたあのお菓子に似ているじゃないか。