一緒に待ってあげる
カッパドキアからの帰りのバスでは、反省することがありました。
同じホテルを利用していた旅行者(また別の国の人。おっちゃん。)と、
バス待ち時間におしゃべり。海坊主はカタコトの英語です。
それでも文化の違いなどについて話すのが面白かったので、ついニコニコ
喋っていたら、
バス内でも隣の席に座ってくるではありませんか。
全席指定にもかかわらず。一緒にチケットとらない限り、男女が隣り合うことは無いらしい。
乗務員に注意されても構いません。
まあ、隣の席の人が来るまでだし…と、海坊主も曖昧な笑みを浮かべていました。
しかし、本来隣の席になるはずだった、年輩の女性が乗り込んで来られたのに、
彼はそのまま居座り続けることになったのです。
その女性と、乗務員の方に交渉したようです。
おそらく、女性たちも、海坊主たちが仲良しだと思われたのでしょう。
別にそのおっさんが嫌、ていうわけじゃないんですけど、
背が高いから足が当たるし、窮屈なんですよ。
それに、おっさん…いやいや、若者であれ、
夜行バスで隣に、ほとんど知らん異性と隣り合うのって、良い気分じゃないでしょう。
うげえ、
としばらく思い続けて、眠さもへったくれもございません。
痺れを切らし、サービスエリアでストップした際、
バスを降りてからこっそり、「彼の席をかえてくれ」と申し出ることに。
しかい、運転手のおじさんと、乗務員の少年(長距離バスでは、座席にディスプレイ
が付いていたり、お菓子やおしぼり、飲み物が配られたりします。飛行機みたい。)に
英語が通じません。
それでも、チェンジ!アイドントライクヒム!とか言いながら、手を交差させたりの身振り
をまじえて
訴えると、わかってくれたようです。
運転手は厳かにうなずき、少年が
納得、という表情をしました。
この時の顔が、日本語で言う「は•は~ん。」というのとまるっきり一緒だったのが
何より印象的でした。
もしかして、トルコ旅行中で一番、コミュニケーションが成立した瞬間だったかもしれません。
少ししてから、少年が、おっちゃんに席を変わるよう指示してくれたらしく、
その後は快適だったのですが、罪悪感も残ります。
さっきまで笑って喋ってたくせに、なんで急に俺のこと嫌になったんや。
わけわからんな日本人は。
って、おっちゃんは気分を害したことでしょう。
最初から、「あなたは私の隣でなく、正しい席に座るべきだ。」
と毅然としておけばよかったのです。
今後はへらへらするのをやめて、自分の意見をしっかり示そう、と固く決意。
しかしその約一日後、
コリアンの男の子に、
「君さっきから、グッド、と、いいよ、しか言ってないけど、ほんまにだいじょうぶ?」
と懸念されることになる。
だめだこりゃあ