「こわい」
というのは時に褒め言葉になると思います。
しし座流星群の際に無数に流れる星だとか、
林間学校の肝試しのかえりに見た、ぼうっと光る蛍だとか、
式の際の花嫁さんの美しさだとか、
思いがけぬひとからの連絡だとか。
好きだとか素敵だと感じさせる前に、これらの物事は
背筋がぞわっとするような恐ろしさを促しました。
むかし剣道をやっていた時に
弱小だった海坊主に対して、ある一人の先輩がこうおっしゃいました。
「海坊主さんは剣道が下手だ。けど、初めて構え合った時、なんかこわかった。」
決して喜ぶべき出来事では無いのかもしれないが、
なにかわからない嬉しさがこみ上げてきたものです。
なので、帰省の際、
姪っ子に、怖いと言って泣かれたと言って、自分は気にしません。