人のいれてくれたコーヒーは、うまい。
自分ですると、入れた、という感じだが人の作ったのは、淹れた、という気がする。
夕方、部屋で絵を描いていると、とすとす、と父が階段を上ってきた。
そして一言。「コーヒーいれてくれる?」
ほいほい、と言うとまた階段を下りて元居たリビングに戻ってしまったのだが、リビングは台所の隣である。
付け加えれば、我が家はインスタントだから粉入れて湯を注ぐだけである。
・・・わざわざ上の階に居る私を呼びにくる手間も変わらないのでは。
と思うが、心境がわからないでもないので、ちょっとだけ可笑しくなった。ついでに自分の分も入れると、人に淹れてもらった時ほどではないが、まあまあおいしかった。