それでもまあ、空腹も手伝って輪っかパンを食べ終えて、
博物館の中へ。
博物館と行っても、
一度エントランスを入って外へ出て、いくつかの棟を、ドアを開けて、自分で巡ります。
英語ガイドの居るツアーに参加しようかとも思いましたが、
英語もできないし、日本語ガイド付きの地図だけ買って、単独でまわることにしました。
説明の中に出てくる単語がわからないのもさることながら、実感したのは、
歴史について無知だということです。
カトヴィッツの歴史を展示した博物館へ行った時にも思いましたが、
ポーランドという国がどのような経緯…侵略されたり、独立したりを経て今に至るか
を少しでも知っていれば、
言葉があまりわからなくとも今よりは理解できたはず。
言語を話せなければ尚更のこと、その国にくるまでに、少し勉強した方が
良いのでしょう。
それでも、
絶対にあってはいけない事が、昔ここではあって、
そして、ここ以外の場所でも行われたであろうことが、
静かで圧倒的な説得力を以て語られているのを感じました。
晴れていたのに、窓ガラスの色の関係なのか、
室内がおかしな色をしていて、
もうたくさんだ、という気分にもなりました。
膨大な量の、犠牲者の靴が展示されていました。
男物の革靴もあるし、どれも古びてはいるけれど、
女の人の、ちょっとお洒落な、かかとの高い靴とか、リボンの付いたのや、コンビネーションの
デザインのとかもあります。
「これは歩行用の靴ではありません。」
という言葉が頭に浮かびました。
友人の女性が、実際に靴売り場でみかけたコピー。美しいが、とてもヒールが高い靴に対して、
本当に付けられていたそうです。
でも、ここに無造作に積まれている非常にたくさんの靴は、ほんとうは、
歩行するための、走ったり、働いたり、遊びに行ったりするための靴だったのでしょう。
そんなことを思いながら見終えると、
やはり外は良い天気でした。