うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

フエラムネについていた、抜け殻に似たおもちゃ

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  台風が去った影響もあってか、最近すこし暑さ和らいだようす。

 「残暑」というのは名ばかりで、うだるような日が10月あたまくらいまで続く例年の気候を
  予想しながらも、もしやこのまま涼しくなっちゃうんじゃないかベイビー?
  みたいな期待感も捨てきれない、お盆終盤です。


  さて、夏の風物詩といえばなんといっても蝉とすいかでしょう。
 
  すいかは買う、もしくは栽培しなくては食べられませんが、蝉の声はただで、しかも
  家に居ながらにして聞けるのでお得です。
  
  また、

  朝3時半とかに外を歩くと、薄明いとも薄暗いともつかぬ公園の、青黒い樹々の影から
  
  ジジ…
  と、昼間のとは明らかに違う、蝉の声がきこえるのです。
  
  これは正直すこし気持ち悪い。
  この時期、死骸があちこち落ちていることから、
  短い命を終える彼らが、地面へ落ちてゆく音かと思っていました。


  しかし、ある種メカチックでもある蝉のフォルムから発せらるる
 
  ジジ、とも、ロロ、ともつかない
  その音は魅力的でもある。
  
  なんとかしてグロテスクではなく絵に表現したいな
  
  なんて思っています。


  そしたら、たまたま買った毎日新聞の朝刊に、あるではありませんか。蝉についての記事が。


  夜に、蝉の羽化を観察できる催しとかがあるんですって。

  羽化したばかりの蝉は、美しい純白なのだそうな。


  はて、もしかすると、真夜中とも明け方ともつかぬ時間に聞くあの音は、
  
  力つきるのではなくて羽化する時のものであったのだろうか。


  今度あの音を聞いたら、
  蝉の死骸を踏まぬよう足下に気をつけながら、

  音のする方へ近づいて見ようか。
 
  眠い頭がすっきり目覚めてしまうような
  命とともに朝が生まれる瞬間を 見られるかもしれない。



  おわり