些細ですが、ふしぎなことがたくさんおこる一日でした。
郵便局へ行く途中、信号待ちをしていると、二匹のミニチュアダックスフンドに吠えられます。
犬にほえられると、こころの邪悪さを見透かされた気分になりすこしショックな私に、
飼い主さんの可愛い女の子が「すみません。」とにっこり。
さわやかな五月晴れの空のようになったわたしの行く手を
次はおじさんが座り込んでふさいでいた。
40代くらいの女性が、介抱しています。
どうやらおじさんは腰を悪くしていて、すこし休むつもりが起き上がれなくなったようす。
昭和初期のモダンな青年のような風体の若い男の子が、どこからかやってきて加わり、
三人でたすけ起こすと、おじさんは手押し車を押しながら、ありがとう、と去ってゆきました。
台風一号の影響で強めの風が若葉をふきゆらしているのを眺めつつ歩くと、
ミニチュアダックスフンドさんたちに再会し、あら、という感じの照れ笑いを交わす。
ただ、今度は、犬と飼い主が反転していた。
首をかしげながら事務所へ帰ると、
友達の結婚式二次会のビンゴで当てた松坂牛が、届いているではありませんか。
ビンゴゲーム歴においてはじめての一等でよろこんだのもつかの間、
なかなかお肉が送られてこず、
酔っぱらって見た夢だったのではないか、
と皆からうたがわれる始末。
ほんとなんだよ、信じてくれよと主張するも、しまいには本当に夢だったのでは・・・と、
桃源郷からかえってきた昔の中国の人のような気持ちでいたところだったのです。
各々のとんすいに、輝く満月のような生玉子が落とされ、
今夜はきっとすき焼きでしょう。