うみつづき、陸つづき -押海裕美ブログ-

思いついたことが、消えないように絵や文にしました。

第十四夜

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 こんな夢を見た。

 
 自分のいる場所が、夢の中だとわかっている。
 
 周囲にいた数人のうち一人、確かに知人なのだが起きてからはだれとも思い出せぬその人に、
 
 これって夢だよね?
  
 と念を押すとそうだとこたえる。

 
 自分は安心して、ならいつか覚めるだろうと思うのだが、いっこうに覚める気配のない。
 
 だんだん苦しくなってくる。
 
 起きているときの意識にだんだん立ち返っているのに、どうしても目覚めることができない。 
 

 とつぜん、こんな相談ごとをしている回想が映る。
 
 
 ・・・最近、夢からさめられないのだ。
 もしかするとそのまま一生、その世界の住人になってしまうのかもしれない。
 
 聞いてくれている医者のような人物は、
 現世に不満があるからそんな症状がでるのだと決めつけるが、自分にそんな覚えはない。
 
 
 
  起きたいのに、体がいうことを聞かぬ、金縛りの状態に陥り、なんとか声を出して助けを求めるのだが、誰にもとどかない。
 そのうち、身を横たえているベッドの上に、飼っている猫が乗った気配がする。
 
 これは助かった、どうにか私を目覚めさせて、夢から覚めさせてくれ。
 
 と頼むも、猫は興味なさげにその場を去ってしまう。
 
 なんて薄情な。
 恨む心に、ふと、熟睡している猫にちょっかいをかけて無理やり起こした昼間を思い出す。
 
 猫め、さては、わたしへの復讐か!!!
 
 
 と思ったところで体がびくっとなって起きることができた。





 なんて、文明の利器をつかって日記をつけているこの状況さえ、夢の出来事なのかもしれぬ。